俺マン2011について(まとめ)

 「外天楼」(石黒正数)重版分の帯に「俺マン2011 第1位」という文字が入ったということで、「俺マンって何?」という方が検索でやってくるかもしれないと思い、一応俺マンについてまとめたエントリーを追加しておきます。いろいろと経緯はあるのですが、簡単にまとめると下記のとおりです。

 「俺マン」とは、「俺マンガ大賞」の略称です。Twitter発の企画で、マンガ好きユーザーが「選定の基準もない、参加資格もない、自分の独断と偏見で2011年面白かった漫画を選ぶ」という形で、2011年に面白かった作品を選び、最終的に集計・ランキング化されました。

#俺マン2011 集計結果
1位:「外天楼」(石黒正数 作品詳細
2位:「銀の匙 Silver Spoon」(荒川弘 作品詳細
3位:「鉄楽レトラ」(佐原ミズ 作品詳細
4位;「25時のバカンス」(市川春子 作品詳細
5位:「ドリフターズ」(平野耕太 作品詳細
6位:「草子ブックガイド」(玉川重機) 作品詳細
7位:「竜の学校は山の上」(九井諒子 作品詳細
8位:「昭和元禄落語心中」(雲井はるこ) 作品詳細
9位:「HUNTER×HUNTER」(冨樫義博 作品詳細
10位:「花もて語れ」(片山ユキヲ 作品詳細


11位:「グラゼニ」(森高夕次/アダチケイジ)/「ヒナまつり」(大武政夫)/「鬼灯の冷徹」(江口夏実)/
14位:「女の穴」(ふみふみこ)/「ちはやふる」(末次由紀
16位:「3月のライオン」(羽海野チカ
17位:「ぼくらのよあけ」(今井哲也
18位:「姉の結婚」(西炯子)/「四月は君の嘘」(新川直司)/「信長協奏曲」(石井まゆみ)
21位:「少年ノート」(鎌谷悠希
22位:「アゲイン!!」(久保ミツロウ)/「うどんの女」(えすとえむ
24位:「鉄道少女漫画」(中村明日美子)/「ママゴト」(松田洋子
26位:「かわいそうな真弓さん」(西村ツチカ)/「となりの関くん」(森繁拓真)/「ねじまきカギュー」(中山敦支)/「よつばと!」(あずまきよひこ
30位:「あさひなぐ」(こざき亜衣)/「あの日からのマンガ」(しりあがり寿)/「失恋ショコラティエ」(水城せとな)/「帝一の國」(古屋兎丸)/「見かけの二重星」(つばな)/「ミラーボール・フラッシング・マジック」(ヤマシタトモコ
36位:「げんしけん 二代目」(木尾士目)/「ジョジョリオン」(荒木飛呂彦)/「ナナマルサンバツ」(杉基イクラ)/「めだかボックス」(西尾維新/暁月あきら)/「よいこの黙示録」(青山景)/「預言者ピッピ」(地下沢中也
42位:「海街diary」(吉田秋生)/「がらくたストリート」(山田穣)/「AKB49〜恋愛禁止条例〜」(元麻布ファクトリー/宮島礼吏)/「午前3時の危険地帯」(ねむようこ)/「ごっこ」(小路啓之)/「関根くんの恋」(河内遙)/「空が灰色だから」(阿部共実)/「第七女子会彷徨」(つばな)/「地上はポケットの中の庭」(田中相)/「デラシネマ」(星野泰視)/「脳内ポイズンベリー」(水城せとな)/「BUTTER!!!」(ヤマシタトモコ)/「花のズボラ飯」(久住昌之/水沢悦子)/「ハルシオン・ランチ」(沙村広明)/「冒険エレキテ島」(鶴田謙二)/「めしばな刑事タチバナ」(坂戸佐兵衛/旅井とり)/「百合男子」(倉田嘘
59位:「宇宙兄弟」(小山宙哉)/「寿司ガール」(安田弘之)/「血潜り林檎と金魚鉢男」(阿部洋一)/「テルマエ・ロマエ」(ヤマザキマリ)/「となりの怪物くん」(ろびこ)/「友達100人できるかな」(とよ田みのる)/「星を継ぐもの」(P・ホーガン/星野之宣
(集計ここまで/総投票数1531票)

 実際の投票や流れなどは、下記のTogetterにまとめられています。

 「俺マン」のハッシュタグが生まれ、Twitter上の企画として動いたのは2011年が初めてのことで、実は企画としてもかなり偶発的・流動的に誕生したものです。その辺のところを、少々長いですが、念のため以下にまとめておきました。ご興味のある方はこちらもご覧下さい。

「俺マン」とは?

 「俺マン」こと「俺マンガ大賞」は、「俺が今年俺を楽しませてくれた作品にかってに贈るマンガ賞」です。
 もともと私が個人的にブログなどでまとめて、かってに発表する年間レコメンド企画として細々とやっておりました。
 現在オンラインで記録に残っているのは2009年のTwitterでの発表と、2010年以降のブログエントリーのみです。個人的にはさらに前からやっていたのですが、メモ帳に適当に書いていた程度だったため、すでに残っておらず、私自身も正確なものは覚えていないという有り様です。

「#俺マン2011」について

 前述のようにパーソナルな企画だったのですが、2011年はTwitter上で絡みのあるマンガ好きの皆さんなどに「俺マン」というフレーズが広がり、自然発生的に「#俺マン2011」というハッシュタグが誕生。マンガクラスタの一部ユーザーの間で、このハッシュタグを使って個人的な年間ベストを挙げていくようになりました。
 私自身は「5作品のみ」といったルールで選定していましたが、ハッシュタグの方はあくまで各人の「俺マン」なので、挙げる作品数などのルールは特になく、「独断と偏見で選ぶ」というコンセプトと「#俺マン2011」というハッシュタグをつけるという2点だけをルールとして盛り上がっていきました。そのため、個人によって挙げる作品数が違うだけでなく、2011年以前に発刊された作品も挙がっており、あくまで「俺が今年読んで面白かった作品」というコンセプトが顕著になっています(このあたりが個人的には面白いなと思っています)。
 結果的に2011年12月末から2012年1月初頭までの間に、このハッシュタグには合計1531票、593作品が挙げられ、なかなかの盛況ぶりとなりました。

「#俺マン2011」ランキングについて

 「#俺マン2011」は、事実上旗振り役を務めてくれた@catucatuさんも「誰かがまとめたりするかも分からないw」と書いていたように(最終的には@bookseller56さんがまとめてくれました)、Twitterなどで知っている人が今年どんな作品を「好きだ!」と言っているかを知りたいというのが本来の狙いで、「Twitterマンガクラスタでベストを決めよう」という意図は全くなくスタートしました。こうして集計された現在でも、ランキングのためのものでなく、あくまで「各個人が好きな作品を選ぼう」というのが俺マンの本旨だと思っています。
 そのため、Togetterのログを見ていただいてもわかりますが、当初は集計をするかどうかすら決まっていませんでした(何しろ自然発生的に生まれたハッシュタグで、誰かが明確に仕切っていたわけではないので)。
 が、予想以上に多くの人が参加したこともあって、最終的に@catucatuさんが自主的に集計を行い、ランキング化することとなりました。ランキングを前提としていないこともあり、「とにかく作品名が挙げられていたら1票」というシンプルなルールで集計されています。結果として発表されたのが冒頭の「#俺マン2011」ランキングです。
 「俺マン」が「あくまで俺の独断と偏見」であることに意味がある以上、ランキングは副産物に過ぎませんが、やはりランキングのようにわかりやすい形は盛り上がるもので、Togetterでも「ランキング編」が飛び抜けてViewを集めました(1月27日時点で2万Viewオーバー)。私もなんだかんだ言って発表を見るのは楽しかったです。

「#俺マン2011」ランキングの影響について

 ランキング発表に伴って、上位にランクインした作家さんや編集部さんから反応をいただいたり、自主的に「俺マン」フェア棚を展開する書店さんなどが登場するなど、二次的な盛り上がりに発展。1/10にはガジェット通信で取り上げられました。
 実際に店頭でどの程度売り上げが伸びたのか(あるいは伸びていないのか)はわかりませんが、最終的にランキング1位になった「外天楼」(石黒正数)に大重版がかかり、「俺マン2011」の名前が帯に刷り込まれるところまで波及しました。

個人的に

 特に旗を振ったわけでも、せっせとまとめをしたわけでもないので、ハッシュタグに関しては基本的にイチ参加者という感じではありますが、一応言い出しっぺのような形になるので、全体像を簡単にエントリーとしてまとめました。
 ランキング上位に入った作品は基本的に読んでおり、どれも非常に面白い作品揃いだと思います。が、一方で「俺マン」に関しては「あの人は何を挙げているんだろう?」というパーソナルな部分に大きな魅力があると思っております。自分の好きな作品を挙げている人を探して、その人の挙げている作品を読んでみるのも新しい作品に出会ういいきっかけになるはずです。趣味の合いそうな人をFollowするのも楽しいでしょう。
 ランキングで興味を持たれた方は、ぜひ各参加者が作品を挙げている方のまとめもご覧になってもらえればと思います。